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先月、文部科学省から昨年度の不登校発生数について発表されました。病気に因らない欠席日数が年間30日以上を不登校としておりますが、全国平均では小学生の0.4%、中学生の2.7%という高い発生率です。つまり小学生の250人に一人、中学生37人に一人の割合で、しかも十年前の二倍の伸び率です。保健室や心の教室を利用した登校生を加えると、実態はもっと多いのです。 これまで心の臨床家は(私も含めてですが) 、その原因を不登校児の性格的な弱点や親の育て方の問題に帰したり、あるいは学校教育のシステムに求めたりしたものです。しかし誰を犯人扱いにしたところで、普遍的に効く特効薬が得られたわけではありません。今では、家族も学校も互いに手を繋いで不登校児の生活体験や対人関係を育もうという、おおかたの臨床家の認識になっております。そこで、今回は不登校児から学んだ、大人側の関わりの姿勢について述べたいと思います。 まず、親御さんへ。子どもが内閉的であっても家庭の雰囲気は風通しのいいものに醸成すべきです。学校との繋がりがなくなると子どもは学校に戻る基盤を失ってしまいます。仮に子どもが学や教師と切れてしまっても、せめて親だけは繋がっていることが肝心です。また、子どもを「治そう」と躍起にならずに、まずは勉強や学校の話題は棚上げして親子の自然な触れあいが大切なのです。そこで語られる関心事が鍵ですので、それを大切に育てて欲しいのです。また「不登校児の親の会」への参加をお薦めします。同じ悩みをもつ仲間の支援から、カウンセリングとは違った希望や元気をもらえるでしょう。 次に学校の先生へ。子どもが会ってくれないと訪問に無力感を抱きますが、その時は親との茶飲み話だけでもいいし、生徒にはメールや手紙でもいいのです。ともかく「見捨てていない」「忘れていない」姿勢をとり続けるのが肝要です。面会に拒否的であっても、子どもは来訪を心待ちにしているものなのです。しかし学校情報や勉強だけのメッセージでは拒否されてしまいますので、子どもの関心世界で繋がるようにすれば、心の窓は開かれるでしょう。 最後に、心の相談員として反省を込めて。まずは親自身が少しでも安心感・余裕が得られるようにしたいものです。ある親御さんは子どもが不登校になって、これまでの親の家庭教育すべてが否定された思いになったと、述懐しておりました。ましてや不登校を近隣、親族に隠さねばならない文化圧力のかかる土地柄では、親は孤立無援なはずです。親のそんな窮状を汲んであげられれば、子どもの問題だけに拘泥しない、親自身の価値観や生き方を相対化する相談になろうかと思います。
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