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子どもたちは夏休みの真最中です。海や山に、そして村祭りにと、子どもも大人も野外を楽しめる時季ですが、不登校児や引きこもり青年にとっても出会いと体験を育くむチャンスです。 一口に引きこもりといっても、自室内に閉居して家族とも顔を会わせない状態から、家庭内では気ままに過ごしているが外出しないレベルまで、まちまちです。実態は詳らかではないのですが数十万人から百万人といわれております。いずれにせよ、対人関係や社会的な参加から長期間退却している事態を意味します。その退却が、不登校という早い発達段階であればあるほど、また長引けば長引くほど対人関係が切れていきますので、心理性格的な成長に及ぼす影響が小さくありません。 仮に登校できなくとも、仕事に就けなくとも、集団に群れる体験をさせたいものです。 ある青年は、世間的には知名度の高い大学に入学したのですが、他大学受験を理由に早々に中退してしまいます。しかしブランド大学への進学を要望する親との葛藤の中で、数年間も引きこもり家庭内暴力を惹き起こしておりました。当方の生活塾に寄宿し、丁稚奉公という社会的な役割を担い責任を負う体験を積んで、巣立って行きました。「体験が人を創る」のでしょう。都会に戻った彼は、ボランティア活動をしつつ福祉専門学校に入る準備を進めております。 彼だけでなく、親の価値観を否定する子ども自身が親と同じモノサシに生きようとして挫折し、自己評価を低くしているのです。そんな生き方を変えたくとも変える手立てがないから、苦悩の淵に佇まざるを得ません。彼らが新しい体験から道を模索できるように応援するのが、私たちの仕事です。 ちなみに、授業がない夏休みは不登校児にとっては、人と遊ぶのに抵抗感が少ない時期です。家族や先生方にとっても関係を作り直す好機です。まずは子どもの関心世界に大人が関心を向けるのです。そして子の関心事に即して一緒に遊ぶことができたら、安心感のある関係を築き上げられるしょう。第二に、誘惑と言うべきでしょうか。楽しかった出来事、おいしかった話を家族の団欒に持ち込むのです。ささやかであれ、そんな世間話が関心を呼び覚まし自然な交流を回復させるのです。 しかし退却が長引けば、人間関係が親子という家族関係枠だけに限定されてしまいますので、家族の力だけでその常態を変えるのは至難です。閉ざされた家庭に風通しを良くする工夫が必要です。本人が同席しなくとも家族は親戚や友人の往来を楽しんだらいいし、また両親だけでも相談をし、それを夫婦の話題にすればいいのです。引きこもる子どもも閉塞的な心理環境を変えたいと願って、耳を大きくしているものなのです。
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