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子ども時代にAD/HDの既往が疑われる大人の精神衛生について [目的]子どものAD/HDは学校不適応、学習障害等の学校教育上の問題から、学校保健の認識は浸透しつつあるが、大人のそれについては精神医療においてさえ二次障害に目を奪われて、基礎となっているAD/HDには十分な認知がないのが現状である。それゆえに本人も自己不全感を抱きつつ精神衛生の悪い生活史を余儀なくされやすい。二次障害で受診した成人のうち子供時代にAD/HDの既往が疑われる18事例から、その臨床的特徴と精神衛生の問題について検討したい。 [大人のAD/HDを疑う直感] 二次障害で来院していても、面接場面で 1)思路の渋滞、反復、迂遠冗長さ 2)現在の適応不全、症状が本人の性格問題に由来すると推理しても、その内省が深まらない印象を抱く 3)困難事態に直面すると容易に相談解決を求めたがる不安耐性の弱さ
4)小中学校時代の話から忘れ物が多い、片付けべた、、課題達成のなさの自覚、友達との情緒的な物語性の回想が乏しい、などからAD/HDの既往が疑われてくる。 [結果まとめ] (図表略) 1)対人緊張、うつ状態、強迫症状、パニック障害などの二次障害で受療となる(女性は自己診断で来院しやすい傾向) 2)二次障害の治療歴があっても、AD/HDについては看過されている 3)職場でも対人関係トラブル・不適応などから転職を繰り返しやすく、 4)既婚者では家庭不調和、学生期の若者では中退、引きこもりに陥りやすい
5)子ども時代のAD/HD症状は通信簿などでも推量可能 6)子ども時代に混合型AD/HDでも、大人になると不注意優位型に改善されている傾向
7)大人になると、症状論的に定型的でなく診断基準を満たさなくなる
8)買物依存などの嗜癖傾向 9)適応的にはグレィゾーンに位置しやすいが、状況要因によって二次障害を発症し受療する
10)残遺するソーシャルスキルの未熟、自閉性が適応障害の原因となりやすい
11)適応障害・達成感のない(被虐待の既往も)成育史から自尊感情が低く自己イメージもよくないなどから性格発達上の歪を形成し、一部は人格障害の診断を満たすようになる
12)薬物療法的には、methylphenidate,SSRI,SNRI,対症療法的に精神安定剤、睡眠剤の併用 13)心理療法的には、a)まずは「発達障害」が基礎になっているという認識の共有が大切
b)生づらかった成育史による自尊心の低さへの共感的理解
c)現在の適応困難に対するサポートと、新しく建設的な生き方(達成感が得られる体験)をどう実現していくかの開発的支援(エンパワーメント)が重要となる。(平成17年10月 日本精神衛生学会)
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