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子どもをどう口説いて医療に結び付けるべきか、と来談する親御さんが少なくない。 本人が動くことはないから、まずは困る家族の相談でいいのだが、残念ながらうまい殺し文句はない。引きこもりから出立する道のりは、一足飛びにはいかない。遠い。しかし千里の道も一歩からである。どう口説くかではなく、今ある閉塞的な生活をどう変えられるかに、第一歩がある。 そのためには、家族は二つの縁を大切にしてほしい。 ひとつは、親がまず医療であれ学校であれ、子どもを結び付けたいとする機関に繋がりつづけることである。不登校を長年引きずると学校と縁が切れていまいがちだが、担任が替わっても親だけは学校と報告連絡相談で繋がっているべきである。子どもは縁のないところに戻ろうとはしないからだ。同様に引きこもりの場合も、親が相談機関と繋がっていなければ、子どもはそこに関心を示すはずはない。 だから、当方では親との個別相談だけでなく、親たちのために「家族教室」を毎週開催している。似た悩みをもつ家族同士が苦悩を分かち合うことで、少しばかりでも安心や元気を貰えるからだ。夫婦の団欒にそれを話題にすればいい。子どもは親の関心事に誘われて、動く時がかならず来るのだから。 もうひとつは、子どもの関心に親が関心を向ける心配りである。引きこもっていても、子どもの内的世界は豊かなもの。もし雑誌やビデオ、ゲームを買いに行かされているなら、ただ使い走りに終わらせずに、それを借りて親も一緒に楽しめばいい。子どもの関心世界を短兵急に否定しないで、親子共通の茶飲み話にするのである。そこから親子の関係性が修復されていくはず。 とかく過去の原因論にばっかり目を向けがちだが、今ある姿から発展可能性をどう育めるかに観点をおいて欲しい。
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